パグの病気について解説 (目・脳・呼吸器・骨・関節・皮膚)

パグは大きな目にシワのある顔がとてもカワイイところですが、それによりかかりやすい病気があります。
また、他の犬に比べて暑がりなので熱中症になりやすいことがあります。
一般的な犬がかかりやすい病気から、パグ特有のものまで様々な病気があります。
緊急の時に慌てないようしっかりと確認しておきましょう。

パグの目の病気

角膜潰瘍(かくまくかいよう)

角膜潰瘍は、黒目の表面を覆っている角膜に傷ができる病気です。
パグは、目が前へ飛び出しているため、枝や小石などで傷を負ったり、異物などの刺激があって自分でひっかいたりすることで、角膜潰瘍を起こしやすい犬種です。
角膜潰瘍を起こしたら、できるだけ早い処置が必要です。
放っておいて悪化すると、角膜穿孔といって角膜に穴があいてしまうことがあり、失明につながります。

 

【症状】
角膜潰瘍を起こすと、痛みで目をしょぼしょぼさせて完全に開く事ができなかったり、足や壁でこすろうとする様子が見られたりします。また、目やにや涙が増え、結膜炎を同時に起こすこともあります。

 

【治療法】
角膜潰瘍を起こした場合、傷が浅く小さければ目薬を使って治療します。
状態にもよりますが、数週間で治癒することが多いでしょう。
一方、傷が重度の場合や角膜穿孔を起こしている場合には、できるだけ早く手術を行なわなくてはなりません。
いずれの場合も、目を気にして自分でこすってしまうことで傷を悪化させないために、エリザベスカラーなどを確実に装着する必要があります。

パグの脳の病気

壊死性髄膜脳炎(えしせいずいまくのうえん) ※通称:パグ脳炎

壊死性髄膜脳炎は、パグ脳炎とも呼ばれる原因不明の病気です。
この病気にかかったパグの多くは、最終的には死亡してしまいます。
壊死性髄膜脳炎では、脳の炎症が徐々に進み、脳が萎縮していきます。
パグをはじめとしたいくつかの小型犬に限って発症することから、遺伝が関与しているといわれています。

 

【症状】
壊死性髄膜脳炎を発症したパグの初期症状は、発作や視力障害などです。
病気が進むにしたがって、同じ場所をぐるぐる回る旋回運動や常に首をかしげたようになる斜頸が起こります。
また、立つことができずに宙を泳ぐように四肢を動かし続ける遊泳運動が見られることもあります。
やがて、痙攣発作がとまらなくなるなどして死亡してしまいます。

 

【治療法】
壊死性髄膜脳炎の治療方法は確立されていません。
内服薬での治療に反応した場合には数年間の生存が期待できることもあります。
一方で、治療に反応せずに数日から数週間のうちに一気に病気が進行して死亡してしまうこともあります。

パグの呼吸器の病気

鼻腔狭窄(びこうきょうさく)

鼻の穴(外鼻孔)やその奥の気道が先天的に狭くなっている病気です。
パグやブルドッグなどの短頭種で多く、遺伝が関係しています。また、軟口蓋過長症など、鼻腔狭窄以外の上部気道の先天的な問題が複合して起こることがよくあります。

 

【症状】
鼻腔狭窄を起こしているパグは、鼻をならしていたり、呼吸が荒かったりします。
興奮時や暑い時に症状が悪化しやすく、酷い時には呼吸困難を起こすこともあります。

 

【治療法】
軽症であれば 特に治療を行なわず、鼻腔狭窄とつきあっていくことになります。
ただし、暑過ぎる環境や激しい運動など、呼吸器に負担がかかる状況は避けるように気をつけましょう。
一方、重症の場合には、空気が通過しやすくなるように、手術で外鼻孔を広げます。

軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)

のどの手前にある上あごの粘膜(軟口蓋)が生まれつき長く、のどの入り口で垂れ下がってしまうことで、呼吸時に気道がふさがってしまう病気です。
パグでは、鼻腔狭窄や軟口蓋過長症といった上部気道の先天的な問題が複合して起こることがあります。

 

【症状】
たれさがった軟口蓋に邪魔されて気道が狭くなるため、呼吸に影響が出ます。
寝ている時のいびきも軟口蓋過長症の特徴です。
重症の場合には、垂れ下がった軟口蓋でのどが塞がれて、ひどい呼吸困難を起こすことがあります。

 

【治療法】
重度の呼吸困難を起こしている時には、速やかに酸素吸入などの緊急処置をしなくてはなりません。
軟口蓋過長症は自然に正常な状態になることはありません。
重症の場合には、気道を確保するために、手術で長すぎる軟口蓋を切除します。

パグの骨と関節の病気

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

膝蓋骨脱臼は、アーモンド型をした、いわゆる「膝のお皿の骨」が正常な位置からずれてしまう病気です。
パグでは、先天的に膝関節を構成する骨や靭帯、腱などに問題があることがあり、膝蓋骨脱臼を起こしやすいことが知られています。
膝蓋骨脱臼の発症には、遺伝が関与しています。

 

【症状】
膝蓋骨脱臼を起こしたパグの症状は様々です。
時々スキップをしたり、一時的な脱臼を、後ろ足を蹴り出す仕草で治してしまったりするような軽症例もあります。
一方、重症例では、膝蓋骨脱臼を起こした後ろ足を伸ばすことができず、着地もできなくなってしまいます。
また、後ろ足は徐々に変形していきます。

 

【治療法】
膝蓋骨脱臼の治療は年齢や重症度を考慮して決定します。
軽症であれば、膝を正常に曲げ伸ばしさせるリハビリテーションのみという場合もあります。
一方で、重症の場合には手術が必要です。
後ろ足の変形は成長に伴い進んでいきますので、手術は早めに 行なう方がよいでしょう。

パグの皮膚の病気

皮膚炎(ひふえん)

膝蓋骨脱臼は、アーモンド型をした、いわゆる「膝のお皿の骨」が正常な位置からずれてしまう病気です。
パグでは、先天的に膝関節を構成する骨や靭帯、腱などに問題があることがあり、膝蓋骨脱臼を起こしやすいことが知られています。
膝蓋骨脱臼の発症には、遺伝が関与しています。

 

【症状】
膝蓋骨脱臼を起こしたパグの症状は様々です。時々スキップをしたり、一時的な脱臼を、後ろ足を蹴り出す仕草で治してしまったりするような軽症例もあります。一方、重症例では、膝蓋骨脱臼を起こした後ろ足を伸ばすことができず、着地もできなくなってしまいます。また、後ろ足は徐々に変形していきます。

 

【治療法】
膝蓋骨脱臼の治療は年齢や重症度を考慮して決定します。軽症であれば、膝を正常に曲げ伸ばしさせるリハビリテーションのみという場合もあります。一方で、重症の場合には手術が必要です。後ろ足の変形は成長に伴い進んでいきますので、手術は早めに 行なう方がよいでしょう。

病気を防ぐために必要なこと

病気を防ぐには生活の中であらゆる点でパグに気を使い、様子がおかしかったら、まずは症状を調べて対処しましょう。
自分で判断できなかったり、確信がない場合はすぐに病院に行きましょう。
病気を防ぐ上で最低限必要な項目をまてめておきます。

・年齢・体格に合った食事(質・量)を与える
・定期的な健康診断を受け、病気の早期発見を心がける
・20分程度の散歩で適度な運動を行う